2005年04月19日

環境問題と車

アメリカではレクサスのハイブリッドSUVがものすごい人気だとか。日本では、なんでしたっけ、えーと、針屋じゃなくてハリアーでしたっけ?アメリカではRX300だと思いましたが。
コンセプトとして、ガソリン車以上の動力性能を第一に持ってきたところは評価できると思うんです。もともとカローラに乗っている人がプリウスに乗ってもあまり環境負荷は減らない。でもそれがスープラだったりランドクルーザーに乗っている人だと大きく環境負荷は減る。さらには、何かを我慢して地球のためにではなく、(お金以外は)我慢しないで環境に優しい車に乗れるようにしなければ全体としての環境負荷の低減は図れないと思うからです。そういう意味ではGMなどがフルサイズピックアップでのハイブリッドを考えているのは良いことだと思います。
えーそのハリアーですが、トゥアレグV8より速い加速性能でカローラ1500より燃費がいい、というのがセールスポイントらしいです。まず仕様を見て疑問に思うのが、なぜフロントに大出力のモーターを持ってくるのか?前輪ガソリン、後輪モーターってする方が構造的に簡単だと思うのですが。いろいろ想像した結果、思いついた理屈は、エンジンの下の車輪じゃないと荷重不足でモーターの駆動力が地面に伝わらないから?というものなのですが、どんなもんでしょう??。電気モーターの特性として、0rpmで最大トルクが発生するというのがあります。これが内燃機関と大きく違うところです。ですから、ゼロ発進などにはモーターの方が向いています。しかし、エンジン以上の高トルクが後輪にかかると急発進時に何が起こるかはなんとなく想像がつきます。FR車が消し去られたのと同じ理屈で後輪のみ電機駆動はいけないのかもしれません。インホイールモーターと電子制御の進化で既存のFF車に後輪だけモーターを追加してハイブリッド化ができるようになったら面白いですね。
閑話休題、世の中はハイブリッドをして燃料電池へのつなぎと評しているところがありますが、私はそうは思いません。究極のエコカーなどと燃料電池車を呼んでいるメディアには、水素をどこから手に入れるのか教えてもらいたい。エネルギーを使わずに水素を大量生産できるようになれば話は別ですが、おそらくその見込みはないでしょう。とすれば水素を利用することにあまり意味があるとは思えません。それよりは植物由来のアルコールを利用したほうが地球のために良いと思います。燃料電池を好きな人はたいてい原発を嫌いだったりしますが、燃料電池の燃料源の数十%は間違いなく原子力発電由来のエネルギーでしょう。もし、私の思惑通り、植物由来のアルコールが主たる燃料になれば、アルコールでレースをしているアメリカの自動車業界が再び技術的に主導権を握る可能性もあるかと思います。
おそらく今年はBig3のエコカー進出が本格的に進むと思われます。原油の高騰もそれに拍車をかけています。エコとエゴの妥協点が見えてくるような面白い車も出現するかもしれません。
最近、燃料直接噴射とか超希薄燃焼について聞きませんが、どうなっちゃったんでしょうねぇ。