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April 21, 2004

イラク人質事件

イラクでの人質事件がとりあえず解決した。 今回は「自己責任論」が発生したが、もう一度冷静に考えて欲しい。

自己責任とは何なのか?
今回のケースで一言で言うなら、 ”危険な地域と認識して覚悟して入ったのだから予測された事態であり、 たとえ死んでも他の人の非ではないので、 他人を責めたりはいたしません。” ということだと思う。
「自己責任だからもう行くな。」はおかしいのであり、 「自己責任だから何か起きたときに助けられなくても恨むなよ。」ってことだと思う。

私の感想としては、 今回悪いのは拉致された被害者の家族だ。 「危険と知って言ったので本人もある程度は覚悟していたと思いますが、 できることなら助けてやってください。 お手間を取らせて申し訳ない。」くらいの発言をしていれば、 国民全員がなんとかしてやれよって気持ちで一つになっただろうに。
それを、 国は何をやってる。 自衛隊は撤退しろ。 情報をよこせ。 などとあまりに戯けたことを言って国を責めるから, 国も困っちゃった。 助けないわけにはいかないから助けたけど、 本音を言えば「なんでそんな横柄な態度でいるやつのために働かなきゃいけないの?」だったのではないだろうか?

もちろん邦人保護は国の大事な仕事の一つだ。 しかし、 自ら危険を認識できるところに、 国の勧告を無視して行った人間のために, 国益を左右されてまで助ける必要はないだろう。 むしろ、 勧告ではなく強制的な出国不許可とかが発令されるほうが怖い。 人間には自らの命を危険にさらしてでもやりたいことというのもあるものだし、 それこそ自己責任で行く分には止めることはないだろう。 そのかわり、「助けられたら助けるけど、 助けられなくても恨むなよ。」があるべき姿だろう。

こういうのには一つの事例がある。 太平洋単独横断に世界で初めて成功した堀江健一さんは、実は出国許可が出なかった。 「太平洋をヨットで独りで横断なんて危険すぎるからダメ。」というわけだ。 なんと言っても彼が世界初なわけだから、そ れは危険なことだ。 GPSもなく、 無線もそんなに使えない。 命の危険は明らかだ。 しかし、 彼は人生を賭けてやりたかったから密出国してや った。 つまり犯罪者になった。 横断は成功したし、 彼の人生は実質的にこの件で花開いた。賭けに勝ったわけだ。 しかし、その賭けをすることが犯罪になってしまうのは良くないと思う。 今回の騒ぎのせいで、 外国に行くには許可がいる時代に逆戻りしないことを願うばかりだ。

人質の人もそれくらいの覚悟で行ったのなら、 それはそれでいいと思う。 それならそれで国を責めるようなことを言わずに黙っていれば問題もおきまい。フ リージャーナリストなんて大きな賭けをしなければ大物になれないだろうし、 そういうのが好きで行ったのだろうし。 一部言動に問題のある人質もいたけれど、 人質が死んでも誰も恨まない覚悟で行ったのなら人質を責めなくてもいいと思う。 そこまでの覚悟を理解できないで、 なおかつ止めることもできないで送り出したくせに騒ぐ家族が問題なだけだ。

私個人はイラク戦争に大義は無いと思うし、 たんにブッシュがフセインが気に入らないというだけで、 石油が欲しくて攻めただけだと思っている。 各国がジャイアンが怖いのと利権に絡んで出兵している。 日本は北朝鮮問題など国の安全保障がかかっているから, アメリカのご機嫌をとるために出兵した。 良いとは思わないけど、 やむにやまれぬ選択肢であると思う。 仮に出兵するべきでないとしても、 人質をとられたから撤兵するという選択肢は絶対無い。そんな国の国民だったらおちおち海外旅行も行けない。 ODA欲しさに誘拐とか、 FTA欲しさに誘拐とかされたらたまらない。  むしろ、邦人が誘拐されたら増派して武装勢力に圧力をかけるくらいの国の方が安心だ。 その後のシビリアンコントロールができるかどうかが問われるけど。

最後になるが、 せっかくいろんなことについてきちんと考えられる機会だったのに、 人質家族にイタズラ電話や脅迫電話などをする輩がいるせいで議論をぶち壊しにされたのは残念だ。
そういう方法で服従させても何にもなるまい。

投稿者 kid : April 21, 2004 09:16 AM

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