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制裁的慰謝料

車輪脱落めぐる民事訴訟で三菱側が和解勧告求める - asahi.com : 社会

この記事の中に、
~再発防止を目的として増田さん側が求めている「制裁的慰謝料」について~原告側が~「和解勧告に制裁的慰謝料が盛り込まれなければ、受け入れずに判決を求める」~というくだりがある。

制裁的慰謝料については日本ではまだ認められておらず、風土的にもなじまないとされている。 おそらく否定的な見方をする人が多いだろう。
しかし、制裁的な慰謝料を認めない場合の慰謝料や損害賠償があまりにも少額であり、再発の抑止効果にほとんどならず、被害者の救済にも不十分であることはあまり知られていない。

私もかつては制裁的慰謝料について否定的な考え方であった。しかし、モラルというものが崩壊して、個人、企業を含めて自制心が期待できない今となっては、制裁的慰謝料は必要不可欠なものと考えている。 自動車メーカーがこういうことをしたときに、企業の存亡にかかわるくらいの経済的打撃を受けなかったら、予防しようという気にはなるまい。 株主によるチェック機構の働かない日本企業であればなおさらである。 あまりに多い企業ぐるみの犯罪を防ぐには、必須であると思う。

日本の司法界もいいかげん性善説は捨てて、抑止力のある、実行力のある法治を心がけ、自らが日本の将来を担っていることを認識するべきだと思う。

現実に戻れば、下級裁判所が判例を覆し、制裁的慰謝料を認める可能性はほとんどなく、控訴、上告を経て、やっと判断がテーブルに載るわけだし、メーカー側も判決も出ていないのに制裁的慰謝料を勧告で受け入れれば、故意に会社に不利益を与えたと株主に訴追されかねないから、受け入れるのは困難だろう。で、あればせめて裁判の迅速化をすすめ、早急に最高裁まで舞台を移すことが最善ではないだろうか。


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