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July 23, 2004

価値観と自然科学

浮気:
脳の遺伝子操作で止まる ネズミの実験

実験そのものよりも、日本での報道のされ方、識者のコメントの方が興味深い。
まず、哺乳類において一夫一妻型は5%足らず。と明確に書かれている。つまり、オスが他のメスと交尾したいと思う方が哺乳類としては自然であること。もっと言えば、有性生殖によって種にバリエーションを持たせたことが、より進化して強い種を作ったことを認めるのであれば、バリエーションが増える一夫多妻の方が進化しやすいのは当たり前である。
次に、女性の研究者のコメントで「これに対し、人間にはペアボンド(一夫一妻のきずな)がある。ほぼ必ず1人の相手に熱をあげ、一緒に居たいという気持ちはチンパンジーにはないでしょう。」というのが載っているのだが、これは一夫一妻制が当然でほとんどであるという先入観によるものとしか思えない。世界中で一夫一妻制をとっていない国はたくさんあるし、一夫多妻を奨める宗教もある。(アメリカには非合法にもかかわらず多妻のモルモン教徒が30000人以上いるらしい) わが国に限っても、一夫一妻が定着したのは、3000年以上におよび歴史のうちで最後の100年未満に過ぎない。彼女の周りの男性は皆ペアバンドのみなのだろうか?それとも仮面を被っている?私の周囲に限って言えば、妻や彼女をどれだけ大事に想っているかとは別に、他の女性に興味を持たないという方が異常だと思うのだが。
人口減と生殖能力の低下と種の進化の停滞を止めるには一夫一妻制の見直しも考えるべきだと思う。こういう話をすると女性蔑視のように誤解されるが決してそうではない。一夫多妻制というのは、女性はほとんど結婚できるが、男性は競争に勝ったものしか結婚もできないし、子孫も残せないという制度でむしろ男性に厳しい制度である。(アラブ諸国などではこれに加えて婚外交渉が厳しく禁じられているため、一生女性に縁の無い男が多数発生し、天国でのハーレムを夢見て殉教するらしい。)
さらに、複数の女性の妻としての地位が認められることで、婚外交渉を持っても権利の主張ができなかった女性がきちんとした地位を求めることができる。現実に婚外交渉がほぼ皆無であるというなら一夫一妻制でもかまわないが、本来哺乳類は一夫多妻が当たり前なので、現実には一人では収まらない。それが、あってはならないものとして闇に葬られていることの方がよほど女性蔑視だと思う。
一人だけに限ることよりも、パートナーになった人間をどれだけ大事に思えるかの方が重要だと私は思う。イスラムの教えの「妻は複数持っても良いが、皆平等に大事にせよ」という方が、今の日本よりも優れた思想だと思う。
男子の世継ぎが得られず病気になってしまうまで追い込まれる王族であればなおさらだ。血縁制度、男系主義と一夫多妻は切り離せるものではないのに片方だけ無くしてしまったのはいくらなんでも無理がある。生殖とはそれだけ難しいことであり、もっと畏敬の念をもって接することだ。妻は一人だけ、たくさん産め、男子が必要、という方がよほど女性蔑視だ。

ほんとに余談だが、売春についても同じだと思う。非合法としていながら現実にはあるという状態が最も良くないと思う。現にそれを生活の糧にしている人がいる以上、合法化してきちんと権利を認めるほうが、人道的ではないだろうか?

投稿者 kid : July 23, 2004 05:07 PM

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