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November 23, 2004

重傷者優先

重傷者優先「理解を」

災害時、医療行為の需要と供給のバランスが崩れた時は、重傷者を優先するので理解をしてください。というおはなし。
これは、全員を救済できるという仮定が成り立っての話だろう。少なくとも、大部分は救済できるという時の話だ。

重傷者を優先して診ている間に軽傷者の容態が悪化して、両方ともダメになりました。ということは避けなければならない。とすれば、後回しにしてよいのは、後回しにして時間はかかっても必ず回復できると確信できる軽傷者だけにするべきだ。また、助かる確率がとても低い重傷者にエネルギーを使いすぎて助かる確率が高いものをダメにしてしまうことは避けるべきだろう。また、状況によっては特殊技能や労働力を持つ人間を先に救済することも必要だろう。怪我人だらけで医者が不足していたら、怪我をしている外科医を最優先で救出するということも考えるべき選択肢だ。
人道的見地という話があるが、それはあくまで種の生存、グループの生存が確立できるときの話で、あぶはち取らずになってはいけない。

同様のことは途上国の救済などを見ていても思う。国境無き医師団などは、瀕死の重態の人を最優先で治療して、あげく亡くなられてしまうようなことを繰り返している。本来は最軽症のものをいち早く健康にして、労働力や社会基盤の整備にあたらせるべきなのではないか?自立できる社会を作ることが最優先で、いたずらに命だけを救ってその後も社会の負担になり、結局他国からの援助なしでは生きられない集団を作ることが本当の人道支援だろうか?私の目にはそれは先進国で生活に不安の無い人間の自己満足に過ぎないように思える。小泉首相の「米百俵」ではないが、たとえ最初に餓死が続出しても後に自立できるようにすることが本当の人道支援だと思う。

昨今の震災騒ぎでも、所詮国の屋台骨が揺るがない規模での被害を想定しているだけで、本当に国家が追い込まれた時には生存のためにあらゆる手段をつくさなければならないということを今のうちからコンセンサスとして醸造しておいても悪くは無いと思う。

投稿者 kid : November 23, 2004 09:47 AM

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