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February 25, 2006

金メダルに思う。。。

ネットでの報道で女子フィギュアの金メダルを知る。つづいてアメリカのメディアをチェック。
この時点でアメリカのメディアの方がずっと詳しく報じている。(日本の選手なのに。)
完璧な演技で、かつての女王カタリーナ・ビットが思わず演技が終わる前からスタンディングオベーションをした。とまで報じられている。
対して日本のメディアは優勝候補が転倒する中、堅実に飛んで優勝と棚からボタモチ的な表現が目立つ。日本のメディアはどうも表現力に乏しい。勝ったのはわかるがどんな風に勝ったのかはよくわからない。対してアメリカのメディアでは、突出していたことが表現され、こんな報道をされるなんてどんなにすごかったんだろう?と思わせるものがある。
普段はあまりこういうのは見ないんだけど、敵国(アメリカは金を期待していた)のマスコミにまでこんなに褒められる演技なら是非見たいと思ってNBCの放送を見た。事前の練習風景からして彼女は傑出していた。難なく思ったとおりに飛んでいる。対してライバル二人はとてもナーバスだし、気持が揺らいで飛べない様子。で実際の演技も本当に完璧だった。不安を感じさせないスケーティングだしY字バランスとかも微動だにしない。アメリカの中継陣ももう褒めるしかない様子。顔の作りはやっぱりアメリカやロシアのライバルほどではないが(失礼)、彼女の笑顔はそれを吹き飛ばす魅力があったし、おそらくメークアップも白人好みに調整していたと思われる。3-3を3-2にするのも別にルール違反でもなんでもないし、状況に応じて臨機応変に構成を変えるだけではなく、最初から決まっていたかのように完璧にそれを演じた能力をむしろ褒めるべきだと思う。
翌日の報道でも、アメリカの報道ですら、「サーシャが転ばなくても多分アラカワには勝てなかっただろう。」「フローレス(欠陥が全くないこと)」と報道されていた。
転倒しても笑顔で演じ続ける選手には敬服するし、それはものすごいことだと思う。しかし、転倒をせずに完璧な演技をしたことは、もっとすごいことだ。敗者へのいたわりも大事だが、勝者への賛辞を惜しむ必要はない。なんで、もっと素直に完勝を褒めないんだろう?強者、勝者への賛辞という点で日本はいつも及び腰だ。たしかに彼女は天才だろう。しかし、何もしなかったわけではない。彼女が苦と思わないだけで他の人にはできない努力をしてきた成果で世界の頂点にたったのだから、それも世界中の誰もが納得する力の差を見せ付けて勝ったのだから、もっと褒めてあげていいと思う。

最初から最後までマジメに頂点を歩み続けて勝ち続けることをきちんと讃えなかったら、子供たちに間違ったメッセージを送ることになる。落ちこぼれてから立ち直った方が落ちこぼれないようにずっと頑張ることより偉いのか?敗者復活のチャンスを与えることはとてもいいことだけど、勝者には勝者の待遇を与えることなしに敗者ばかりを優遇してはならないと思う。

今回のオリンピックに限って言えば、銀、銅の選手も、日本の残りの選手も、勝利の女神と比べるには程遠い出来だった。それを同列に扱う必要はさらさらないと思う。彼女たちも才能も努力もしているのだから、ここでたっぷり悔しがることできっと一段と成長すると思う。今は勝者のみを讃えて、敗者はそっとしておけばいいのではないだろうか?

フィギュアのあの難しい演技の中で失敗をしたらルール違反にならないようにジャンプの構成を変えて飛ばないところで飛んだりまでしているらしい。しかも、かなり複雑なルールだ。そういう人はオリンピアンと呼ぶにふさわしい。 牛乳一本飲めばOKなのに体重不足で失格になるなんて選手をオリンピックに出して日本は恥ずかしくないのだろうか?そういう失敗を徹底的に糾弾するからJapanese Qualityというものが得られているのに。次のオリンピックも出たいなんてよく恥ずかしくもなく言えるものだと思う。こういうダメ人間擁護を止めないと本当に東南アジアの一国に成り下がると思う。

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コメント

一部の選手のインタビューを聞いているとどうも日本では競技者の間にも「参加することに意義あり」的な考えが定着しつつあるんでしょうか?
「参加することに…」とは恐らく観戦する側が成果をあげられなかった選手にかけるギリギリの慰めの言葉と思います。
tesaさんの「自費で行け」に頷いてしまいました。(ここで話すネタではないですが…)

KIDさんから自分のblogにコメントをいただき、「そういえば・・・・」と思って探してやっとこのblog?にたどり着きました。
勝者に賛辞を送るよりも敗者に慰めを送る方が日本では大衆受けする。が「大衆受け」と「真実」とは別物。金・時間等コストを投入して勝利を収めた者が投資しなかった者より利益を得るのは当たり前のことで、そういうルールを自覚したうえでの同情論であるべきだ。

>ハニー号さん
「自費で行け」http://gunjoiro.at.webry.info/200602/article_19.html
は、論理操作の早い段階でのモデル論で、自分の考えではないです。
コメントくださいね。

こんばんは、腰の具合はどうですか?最近流行のマッサージチェアーですがあまりの邪魔くささに、マッサージ機能のついたベッド『マッサージベッド』の方が日本向けではないかと思ふハニー号@腰痛持ちです。
「自費で行け」の件、僕の引用ミスですね。
勝手に引用した挙句に紛らわしい使い方でスイマセンでした。
散々文句を言っといて、最近の選手インタビューで「結果としては残念ですが自分的には精一杯やれて満足しています」的なコメントに「うんうん、良く頑張ったね」と勝手に感動しています。
でも露出回数の多い一部の選手のコメントには「やっぱりあんたはそうなのね…」みたいな。

それにしても最近文章を綴る機会がめっきり減って、久し振りに何か書くと全然意味の通じない文字の羅列になる事が多いです。
やはり不貞腐れず日々のトレーニングが大切なんでしょうか…

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