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量的緩和と金利とお金の行方

日銀と政府の間でゼロ金利解除に向けた争いが激化、したけど中央銀行の面子は守られたようだ。
さて、本当に金利は上昇するのか?景気は回復したのか?金利が上がった時に財政破綻は避けられるのか?
アメリカでファイナンスを勉強すると自分がいかに異常な国から来たのか?ということを痛感する。ディスカウントレート(実質的に公定歩合と一緒)がゼロなんてことはありえるの?なんて質問が他の生徒からされると教授も教授で、理論的には有り得る、なんて回答をして、僕の国では現実です、なんてつけたすことに。。。。
しかし、その一方でリスクをとるということを本当に理解していないことも痛感する。リスクは日本では危険度のような意味合いで使われるが、金融を勉強しているとむしろ不確か度というニュアンスで使われているような気がする。リスクに見合うリターンであればリスクを積極的にとることも必要だ。しかし、これが心理的にとても難しい。なぜなら、少しの失敗も許さない日本の文化が染み付いているから。
日本では出資法や利息制限法を見直して、グレーゾーン金利を無くす方向や貸出金利の上限を下げる方向で話が進んでいるが、これはむしろ消費者によくないと思う。なぜなら、まっとうな金融機関がお金を貸せない人が増えるからだ。ヤミ金が問題になるのもヤミからしかお金を借りられないからだ。許される金利が下がれば、もともとリスクをとるのを嫌がる日本のまともな会社はますます貸し出しを渋ることになる。某一流サラ金の方に聞いたら事故率は5%くらいらしい。それでも上に怒られるとか。30%で貸し出して事故率5%で怒られるなら、金利が下がったらもう貸すのが難しくなってくる。もちろん何千%というのは問題だが(極端なインフレ状態ならそれでもなお容認すべきとしても)、100%くらいまでは法律で認めて、事前の説明責任や責任範囲の明確化、あるいは連帯保証人に対する請求限度の設定などで対応した方が良いのではないだろうか?さらにはアメリカのような個人のクレジットリスクの数値化などを進めて、納得した上でまともな会社から高金利で借りた方が、ヤミに頼らざるを得なくなる現状より良いと思う。
世間の金利はゼロにまで落ちたとしても、クレジットリスクは確実に以前よりはるかに高くなっているわけだし、以前のようなリスクゼロ以外は許さないという社会にはもう戻れないだろうから。
日本人の均一性の破綻に対して対応策をとらないと全ての面で取り返しのつかないことになりそうだ。

さて、量的緩和やゼロ金利の終焉は日本からのお金の流出にブレーキをかけて、円高の要因になるかも?しれないそうです。ちなみに僕は当面の低金利の間はあまり影響がないのではないかと予測しています。日本で預金の利息が5%とかになることがないかぎり、海外運用の方がずっと魅力的だと思うからです。金利差よりも為替差損という見方もあるようですが、もはや海外旅行も当たり前の世の中。最後はドルのまま使えば万事解決というのが僕の政策です。今年一年は弱円高はあったとしても、現状からあまり遠くには行かないと思います。(円安方向は激変もありうると思いますが。)


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