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March 27, 2006

移民政策を間違えないために

asahi.com:全米で不法移民対策に抗議デモ ロスでは50万人?-?国際

アメリカでは移民政策に対する大規模デモが発生した。大統領が単純労働をする移民に対して一時的な合法化を計りつつ、登録に載らない移民については厳罰化する方針を表明したのに対し、議会は強攻策のみの採用を主張しそれが下院を通過したからだ。
不法移民が国内に滞在することを明白に違法行為として取り締まり、不法移民と知りつつ雇用することを禁止する法案であるから、当たり前すぎるほど当然のことを当然に処するだけなのだが、これに対してものすごい反発が起きてデモとなった。
ここで注目すべきなのは、不法移民ならびにそのサポーター達の価値観である。アメリカは比較的オープンな移民政策を取り、合法的に労働ビザをとって働きに来ることができるし、そうしている人も多い。しかし、不法移民をしている人たちには移民政策に関する遵法意識というのはあまりない。日本人の感覚であれば、法律に違反して入国して滞在していながら白昼堂々とデモに出てくるというのは理解できない感覚だろう。また国の側も真剣に取り締まっていないのもまた事実だ。つまり、ルールは多少自分に不利益があっても100%守るように最大限努力するという感覚は全く無いのだ。最大限どころか少しもないかもしれない。法律は守るべき、習慣は守るべき、ルールは守るべき、という日本人の感覚を常識と思うと痛い目を見る。
法律に違反している人は犯罪に相当するから取り締まるという法案に対してこの騒ぎである。いちど手綱を緩めてしまうとどうなるかという良い例だろう。日本人と同じ常識を移民に期待してはいけない、そういう事例を日本の入国管理も十分学習しておくべきだろう。
また、現在不法滞在中の人間に対して、出頭すれば一時的に滞在労働できるビザを発給するという大統領案に対しては、合法移民と非合法移民という階層をつくりセカンドクラスに対して差別が発生する可能性があるという意見もあった。ここは大いに注目すべき話題で、我々は本当にセカンドクラスの発生を悪とするのか?ということを真剣に検討する必要があると思う。
CNN.co.jp : UAEのアジア系労働者が暴動、低賃金などに怒り ? - ビジネス
これなどは、良い例だと思う。ドバイの人にしてみたら、低賃金で働くというから雇ったのに何を言ってるの???という気持だろう。実に人口の75%が外国人という状況ではドバイ人側にも危機感が起きていることだろう。低賃金で働くというから自国人じゃなくて外国人を雇ったわけで、それが賃金が安いと不平を言って自国人と同じ待遇を要求するくらいなら最初から雇わないだろう。同じ権利や同じ待遇を要求し始めたら雇いたくないし、人口の4分の3を占めるに至った外国人労働者に同じ待遇を与えたら完全に国が乗っ取られてしまうだろう。実際、旧英連邦を中心にインド人による国乗っ取りは各地で発生している。たとえば、トンガ、ナウルといった島国でもクーデター騒ぎになったし、カナダ、シンガポールなども乗っ取りまで行かなくてかなりの浸食を受けている。じっさい自分の国で外国人労働者に同じ待遇を与えることを望んでいるだろうか?きれいごとではなく、真剣に考えて、国が乗っ取られても構わないというのでなければ、きちんと階層を守り防波堤を作って受け入れるべきだと思う。アメリカという移民国家の作ったスタンダードを旧世界がありがたく受け入れる必要はないし、アメリカにおいては人種に変わって貧富で階層を作っているわけで、そちらの区別を採用する覚悟がないなら人種や国籍による区別を守ることに何らやましさを感じる必要は無いと思う。
特に、1世の移民はまだいい。労働条件がきつくても、周囲の人に比べて貧しくても、もっと貧困でもっときつい自分の母国よりはマシと思えるから。しかし、2世以降になれば、その最悪の母国の印象は全く無く、周囲の繁栄との比較しか行われない。そうなれば発生するのは憎悪だけになる。最近のフランスの暴動はこのパターンで、フランス人からしてみたら「今の待遇を承知で移民してきておいて何を今さら文句を言うの。まして不満を暴力で解決するなんてとんでもない。」となるが、世の中のほとんどの移民産出国の文化では、暴力による待遇改善要求が当たり前に存在している。日本とは違い不満を大げさに騒ぎ立てることが是とされている文化も多いのだ。比較対象が母国での辛い生活のうちは、「アメリカ万歳、アメリカは富を与えてくれた。」になるが、比較対象が周囲の豊かな生活になれば、「我々が働いているから生活が成り立っているくせに自分たちだけ良い生活をしてけしからん。」になる。
自分が快適で楽に良い生活をするためには、それを支える低賃金労働者が必要で、全員が幸せという事態は論理的に有り得ないことを肝に銘じて、日本には慎重に労働者受け入れを検討してもらいたいものである。

労働目的の滞在は許可しても永住は許可しない。永住を抑止するために家族の呼び寄せは許可しない。同じく不動産などの取得も許可しない。日本語による意思疎通が出来ない労働者も許可しない。少しでも犯罪に関わったら即永久追放。とにかく日本に永住する権利があるとは絶対思わせない。そのかわり外国送金分については税額控除を設ける。とか、そういうコントロールが必要なのではないだろうか?

だって、見た目も習慣も考え方も何もかも違う人間が自分たちと同じ権利、待遇、水準で幅を利かせてたくさん周りにいたらほとんどの日本人は耐えられないでしょ?

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